社員対談
「評判づくり」の最前線で
生活者と企業を繋ぐ
オペレーションサービス部の矜持
オペレーションサービス部
シニアアソシエイト
土居 秋桜子
Akiko Doi
オペレーションサービス部
シニアPRプロデューサー
末下 洋治
Youji Sueshita
オペレーションサービス部
コミュニケーション・ディレクター
小林 祐貴子
Yukiko Kobayashi
企業の「評判づくり」の一つとしてオペレーションサービス部では、コンテストなど生活者参加型のプロジェクトを通して、生活者とクライアント企業をつなぐ事務局サービスを提供しています。
窓口として生活者に向き合った担当者の印象は、そのままクライアント企業の評判にもなります。プロジェクトの目的である生活者との良好な関係を築くためには、非常に重要な役割を担う業務です。オペレーションサービス部のメンバーが、ピーアールコンビナートならではの事務局のありかたについて語ります。
単なる「事務代行」ではない、企業の「評判づくり」を考え抜いた
企画の一角を担うセクション
末下洋治(以下、末下):私たちオペレーションサービス部(OS部)の主業務は事務局業務です。代表的なプロジェクトとしては、30年以上にわたって継続している、伊藤園お~いお茶新俳句大賞が挙げられます。OS部ではそのノウハウを応用し、さまざまな案件でキャンペーンプロジェクトの企画立案、運営を行っています。
ただ、こうして「事務局業務をやっています」と言うと、単に事務局代行のサービスと思われることがしばしばあります。それは私たちからすると、少々不本意なんですよね。
「評判づくりの仕掛人®」をスローガンに掲げるピーアールコンビナートは、社会課題を解決しながら、その中でクライアントがPRしたいことを表現する戦略を創業時から一貫して企画、実行してきました。新俳句大賞についても、ピーアールコンビナートを中心に企画立案し、クライアントとともに作り上げてきたものです。
応募してくださった方にとって、自分の作品が商品のパッケージに載れば嬉しいものです。そのご家族やご友人にも、その嬉しさの輪は広がり、そして商品を手に取ってもらえるようになります。生活者に企業を好きになってもらうこの仕掛けは、メディア露出とはまた異なるPR効果があります。
単発的なキャンペーンではなく、社会から評価される社会の課題と結びついた、「評判づくり」の本質を突く企画だったからこそ、30年以上も経った今もこうして続いているのではないかと考えています。
ほかのPR手法では築けない、ダイレクトな関係づくり
末下:事務局はプロジェクトの中で、生活者とクライアントをつなぐコアな部分と言えます。ときにはPRイベントなどで生活者が直接参加することもありますが、実際にその方々がどう考えているかまでは、そうそう把握できるものでもありません。
良くも悪くも生活者の直接の声をいただける事務局業務は、ほかのPR手法ではなかなか築けない関係づくりを行うことができる業務です。
小林祐貴子(以下、小林):私は2012年からチームに入りましたが、前年の東日本大震災の際の事務局対応の話を聞き、感銘を受けたのをよく覚えています。
震災が起きたときには、募集〆切後、1回目の審査が終わり、次の審査に進む途中でした。首都圏も大変混乱した状況で、もちろん活動を一旦休止するという選択肢も検討されました。でも、「こういう時だからこそ、活動を止めてはいけない」と。クライアントも、そして審査員の皆さんも一致団結した思いで、たった10日ほどの遅れで、審査を再開し発表までこぎ着けました。
応募作品に込められた生活者の皆さんの思い、それを受け止める審査員の皆さん、クライアントの思い。たくさんの思いが積み重なって成立しているプロジェクトなんだなと、私はその話を聞いて感じました。私たち事務局は、そんな一つひとつの思いに寄り添う役割を担っています。そう思うと、大変でもがんばらなきゃ、と心が引き締まります。
土居秋桜子(以下、土居):私は2021年から、新俳句事務局のチームに加わりました。入社したときには、一般的なコンテストや懸賞の事務局のイメージを持ったままだったので、業務がこんなにも多岐にわたっているのかと驚きました。
私は前職ではコールセンター業務に携わっており、その経験をよく活かせる場面もあるのですが、一方で問い合わせに答えるだけでなく、こちらから確認事項のご協力をお願いしたり、ヒアリングさせていただくことによって運営改善に繋げていくことは、応募者の方々と密につながっている新俳句ならではの手法だと思っています。
お客さまやステークホルダーに最前線で向き合い、クライアントの評判づくりを担う責任
小林:生活者の皆さんにとっては、窓口である私たちのイメージがそのままクライアントのイメージになります。普段どんな業務をしていても、そのことは忘れないように、常に意識しています。
土居:お問い合わせに関しては、ご要望に100%応えられることばかりではないのは事実ですが、たとえその方が求めていた答えではなかったとしても、納得していただけるところまで親身に答えることが必要だと考えています。
小林:話が横道に逸れることもあるのですが、それも無駄な時間とは捉えず、信頼関係を紡ぐための貴重な時間だと考えています。
末下:小林さんは、基本的に生活者の視点で考えてくれていて、業務も細かくチェックしています。私などはどうしてもクライアントの意向に目が向いてしまう場合がありますが、そういうときに小林さんが「そうじゃないですよ、一般の方々はこう考えていますよ」と視点を引き戻すストッパーとして意見してくるんです。それには非常に助けられています。
小林:正直に言うと、私自身は細かくもないですし、面倒なことは後回しにするタイプです(笑)。けれど、プライベートだったら「別にそんなに細かいこと言わなくてもいいか」と思うようなことでも、仕事では「これはクライアントに伝えておかなきゃいけない」と思うことは、どんなに細かいことでも伝えます。
そうしないと、誰にとってもよくない結果になってしまうんですね。お客さまが困る、不快な思いをするというのもありますし、もちろんクライアントの評判も下がります。場合によっては社会的な問題に発展することも、可能性としてはあり得ます。どんな小さな違和感でも、大切に扱わなければならないなと思っています。
土居:私は、前職のコールセンターでは故障窓口を担当していました。必然的に問い合わせ内容は困りごとやクレームなど、ネガティブな内容が多くなります。でもコンテストの事務局では、入賞して商品が届いたというだけで「ありがとう」を伝えるためにわざわざご連絡くださる方がいらっしゃいます。また「次回の応募はいつからなの?」と積極的に参加の意思を示してくださる方もいらっしゃいます。
そういったコミュニケーションの中に、このコンテストは本当に愛されているんだなと実感します。30年以上にわたって育ててきた信頼のおかげではないかと。
生活者の声を聞き、企画や事業に活かしてより精度を高めていく
小林:現在、全国でコンテストに参加している学校は3,000校ほどで、参加したことのない学校もたくさんあります。今後はさらに拡大していって、将来的にはすべての子どもが一度は俳句を作って応募した記憶をもって大人になっていってほしいなと、夢を抱いています。
土居:私も、コンテストを楽しんでもらえる方を増やしていきたいと常々考えています。実は、今の若年層の方は小中学校では、学習指導要領の改訂により俳句を作るカリキュラムがあるのですが、このコンテストの存在をご存じない方もまだまだいらっしゃいます。そういう方にも知っていただいて、楽しい体験の輪を広げていきたいですね。
末下:高校を卒業した後の20代、30代からの応募もぜひ拡大していきたいと考えています。最近では俳句と同じ、ことばを紡ぐものとして「リリック」はどうだろうということで、ラップグループとコラボしてリリッ句コンテストという企画を提案して実施しました。
実はコンテストの5年目に、当時の文部省の後援を得て、学校単位で広く俳句を募集しようと提案したのも私たちピーアールコンビナートです。よく「営業は現場を見ろ」と言いますが、事務局は生活者の皆さんの声や体温を、自分の肌で感じることができます。それをほかの企画にも反映してより精度高い提案にできることもまた、私たちOS部が生み出す価値だと考えています。
今後は、新俳句のファンコミュニティの形成にも取り組んでいきたいですね。コンテスト応募者に限らず、新俳句を愛する方々に楽しんでいただきながら、意見を吸い上げて、プロジェクトのアップデートにも活かしていけるような良い循環を作っていけたら、また新たな境地が開けると思います。
すでに新俳句コンテストに限らず多くの業務で、案件全体を見渡した事務局運営と企画立案、実施を行っていますが、このノウハウをさまざまに応用しながら、「評判づくり」のいわば最前線に立つ私たちならではの価値を提供していきます。